「これはコンリさんがお若い時のものですか??」
タルタルの少年は問う。
「ふむ、手紙の最後に天晶暦863 と書いてあるだろう?
・・・丁度良い。
勉強ついでに質問だ、少年。
天晶暦863とは一体何があった?」
少年は頭を抱えてうーん・・と唸った後にポソリ。
「ウィンダスが滅びた日・・・?」
「・・・。」
「・・・。」
今あるウィンダスは何なのだ、少年?
コホン。
と咳をひとつはさみ、コンリは語る。
「タブナジアが・・・滅んだ年だよ、少年。」
「むむむ・・・。彼女さんがおられるのはタブナジア・・・でしたよね!?
・・・滅んじゃったんですよね?もしかして手紙はこれで終わりなんですか??」
「落ち着け、少年。一枚目の手紙はどれだ?と問うたのは少年だろう?
まだあるさ。」
「むむぅ・・ちなみにコンリさんはどういうお返事を?
って、もう覚えてないデスヨねぇ・・気になるなぁ。」
少年の耳がペタっと垂れる。
分かり易いヤツだな・・・。
コンリはイスに座りなおし、一つ大きく息を吸って吐く。
「彼女から届いた手紙に、私はこう書いたんだ。」
親愛なる君へ。
手紙をくれて有難う。
なんか雰囲気が違うと思ったら敬語だからですね。
・・・何で敬語なんでしょう?
さて。
魔法の勉強ですが、君に遅れを取らないように必死に勉強してますよ。それでも君には追いつけないけれど・・。
君は広く浅くですが、私は黒魔法一色です。深く・・深く・・・学んでいます。
黒魔法だけなら、君に勝てると思いますよ!
私の高等魔法を是非みせてあげたい物です。
キミはタブナジアの地に行ってしまったのですか。
君が傭兵になるということで、てっきりコブラ傭兵団かと思ったのですぐに会えると思っていましたが、そんな遠くに行ってしまったのですね。
すぐに会えないのはとても残念ですね・・。
実戦が始まるということですが、身体は大丈夫でしょうか、
いや、君よりも相手の方を心配するべきかもしれませんね。
当然、君の事だから大活躍でしょう。
大出世な予感が早くもしますね!
また手紙が届く事を心待ちにしています。
天晶暦 863 キミの故郷より愛を込めて
備考
黒魔法
主に精霊の力、闇の力を借り行使する魔法。
「精霊魔法」「暗黒魔法」「弱体魔法」「強化魔法」の四種類に分類され
コンリを含む黒魔道士は主に「精霊魔法」をメインとする。
【とてもとても強そうな相手です。】
コブラ傭兵団
ロマー・ミーゴ(Romaa Mihgo)を団長とした、クリスタル戦争時のウィンダス連邦軍
のミスラ傭兵団に属する軍団。かつてパムタム海峡沿岸を荒らしていた元ミスラ
海賊を中核としている。
海賊の流儀を色濃く残す組織で風紀は荒れ放題。
綿密な計画を苦手としており勢いだけの社撰な作戦立案が散見されるが、
引き際を含む戦場の流れを読む事だけは天才的に長けていると評判。
ちなみに冒険者がウィンダスで傭兵に入る場合、この傭兵団に属する。
ライバルはハジャ・ゾワン率いる山猫義勇団。
何度も言うが、フィクションです。
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